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静寂のエチュード [生地-音楽]

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左手の爪が微妙に伸びかけている。そういえばもう4日も楽器を触っていない。
ゴメンナサイ! ・・・ 心の中でMs.Greenに詫びる。

不肖の教え子の私でも、Ms.Greenは見放したりはしない。
けれど私の手が彼女の前で無様に止まる度に、そのキュートな表情が急に悲しそうに翳るのが心苦しい。

どうしても貴女の教えを受けたくて、まるで恋の告白のようにドキドキしながら指導を請うたあの日のときめきを、忘れたわけではないけれど…
ただ貴女に誉められたくて誉められたくて、懸命に練習に励んだ頃の情熱を、失くしたわけではないけれど…

雑多な日常が私の時間を貪るように奪ってゆく。。
どこか深い奥底に一旦我が身を沈めてじっと時を過ごさなければ生み出せない類の仕事が、私の心身を執拗に拘束する。
ひと日のすべてを片付けてこうして一段落した頃には、決してボウイングなどできない住宅環境も恨めしい。
でも…
そんなことはどれも言い訳に過ぎないと彼女は微笑むだろう。私の「本気」がどんな形でどんな強さをしているか、しっかり見定めるように小首をかしげながら。

"音が出せない時間でもね、ちゃんとこうして左手だけで練習するのよ"
レッスンの帰りがけにはいつも念を押すように、Ms.Greenは飴色の美しいニスを纏った愛器を構え左指を軽やかに操ってみせる。弦は鳴らない。でも指先が弦を離れるほんの一瞬だけ微かな響きが空気を震わす。
そんな幾つもの静謐な夜をも越えて育まれてきた貴女の豊かな音色のように、いつか私のヴァイオリンも謳ってくれるだろうか。
今夜は貴女の言いつけを守って、音のない旋律を奏でてみよう。

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本日ご紹介の生地は、USA、Timeless Treasures Fabrics社のMUSICシリーズから、様々な楽器が描かれた生地です。ヴァイオリンやチェロ、ピアノにハープ、楽器の図柄を眺めているには楽しいのですが、やはり少し大柄すぎて何に仕立てたら良いのかわからず待機中の生地。同じタッチの楽器をパネル状に並べた柄もあり、いずれも音楽生地好きの皆さまには好評のようです。

今宵モーツァルトと… [生地-音楽]

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「今日は気持ちが入っていないね」
はじき返された剣先に怯んだ瞬間、師に叱られる。
手元に力が入りすぎる、もっと顎を引きなさい、上体を倒しすぎ…と毎回いろいろなダメ出しをされているけれど、心のありようをダイレクトに指摘されたのは初めてのことだった。
柳生新陰流。週二度の稽古に休むことなく通い詰めている。


ここに来る1時間前・・・
捗らない仕事その他諸々に少々苛立って、目の前で所在なさそうに主の指示を待つMacのスロットインドライブにDVDを滑り込ませる。
モーツァルトはこんな精神状態の時に効く。陽気なハッピーエンドのオペラならなおさら。
椅子に深く座り直しディスプレイの映像と音楽に引き込まれて過ごすうち、あ、もう稽古に行く時間! ちょっと後ろ髪を引かれる思いで片付け、急いで支度をして車に乗り込む。
 W.A.モーツァルト、1756年生まれ。上泉伊勢守 信綱、1508年生まれ。
夕刻のラッシュの名残りの大通りを行けば、CVTのなめらかな加速に合わせるように、18世紀の欧州から16世紀の日本への気持ちのタイムトラベルも簡単にシフトできるはずだった。いつもの私なら…。
しんと冷え込む武道場に道着袴に着替えて立つ。袋竹刀を手にしても、今日はどうしたわけか耳の奥でまだ魔笛のアリアが響いている。

逃れたい夜がある。仕事から、日常から、ありとあらゆるすべてのことから。
「無」になって自分と向き合う武道は、そんな私には実に良い修行。でも簡単に「無」になんてなれない。
陽気な音符をゴージャスに散りばめた音楽で、ははん、と笑い飛ばして忘れてしまうほうがラクなときだってある。
気持ちが入っていないね…などとは二度と言わせまいと誓いつつ、今夜だけはゴメンなさい! 神聖なる武道場の真ん中で、自分を解き放つ呪文のように、私は「パ・パ・パ」を心の中で口ずさむ。

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本日ご紹介の生地は、USA、Timeless Treasures Fabrics社のMUSICシリーズから、偉大なる音楽家たちのプロフィール。画像をご覧になっただけではとても生地とは見えないと思われる方もいらっしゃることでしょう。大柄な生地で、モーツアルトのシルエットは高さが約7センチ。眺めていると楽しい生地ですが、では何に仕立てれば良いかとなるとなかなか思いつくものがなく、購入してから2年も生地のまま私の手元で出番待ちをしています。
大勢の大音楽家が勢揃いしているようですが、登場している顔ぶれは6人だけ。なぜ○○が入ってないの?△△も入れるべき!などと考えながら眺めては楽しんでいます。

心地よい不協和音 [生地-音楽]

強烈に心惹かれる柄があるかと思えば、ちょっとこれは勘弁して欲しい、とスルーする柄も結構あるRobert Kaufman Fabrics。数多くのデザイナーを抱える所以。

ピアノに弦楽器、管楽器。リアルな画像のようで抽象画のようなこの生地から聞こえてくるのは不協和音。でも決して不快なそれではなく、どこかでちゃんと計算されたギリギリの調和を保った摩訶不思議な音の競演のようで…

3色ある中で一番好きなこの色合いは、とりあえず自分用の楽譜バッグと小さなポーチを作って独占愛用中です。


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